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March 10, 2006

小春珍事   :: Posted by kazuo::

bboy.gif

春一番も爽やかに駆け抜け、日々暖かさを増してゆく今日この頃、皆様如何お過ごしでございましょうか?
さて本日は、不肖私めが「JR渋谷駅ハチ公口改札」にて遭遇致しました、アスファルトに咲く大根の様な「小さな春の珍事」についてお話しをさせて頂ければと存じます。
その朝私は、渋谷区某所にございます自身の勤め先へと向かうべく、いつもの様にJR渋谷駅で電車を降りたのでございます。今にして思えば、駅のホームに降り立ったその時から、普段とは微妙に異なる空気を感じていた様な気も致します。しかしながら、出社予定の時刻を30分近くもオーバーしていた私は、若干早足になりながら「ハチ公口改札」へと通じる階段を下りて行ったのであります。階下へ近づくにつれて混雑度を増す人の波にもまれながらも、常日頃見慣れた「改札越しのスクランブル交差点」の風景が眼前に広がった、まさにその時でございました。断りも無く傍若無人な態度で、私の視界に影を落とした怪奇なる群れ。ある者は目深にかぶったキャップに口髭をたくわえ、またある者はスキンヘッドに小さめのサングラスを斜めがけ、その後ろから仲間を押しのける様にしてやって来た男の頭には、丁寧に刈り込まれた幾何学模様が・・・しかし、何よりも私の眼を釘付けにしたものは、その10人を超えようかという巨大な群れの全頭が、申し合わせたかの如く一様に身に纏う「信じがたい程にずり下げられたズボン」に他なりませんでした。上下とも相当に大きなサイズの服(新宿のサカゼンが出元なのでしょうか?)を着ているために、遠目ではそれと判らなかったものの、彼らとの距離が縮まるにつれてその驚愕すべき全容が明らかになってまいりました。
この群れの面々、恐らくはHIP-HOP(若しくはそれに付随するファッション)をこよなく愛するB-BOY(ってのは死語ですか?ですね)だったりするのでしょう。最初は「憧れのアーティストに一歩でも近づきたい」といった動機だったのかも知れません。はたまた、女の子にモテたい一心でストリート系の雑誌なんかを読み漁り、一生懸命情報収集をしたのかも知れません。「ちょっとパンツ下げた方が、ワルそうな感じでイイかな?」そして、それら個々の情報や感性が、同じ趣向の仲間内で切磋琢磨、より洗練され昇華され生み出されたと思しきそのスタイルとは・・・

おぱんつ様マル出しです。
下げに下げられたズボンは、膝上20cmの場所に奇跡的なバランスでキープされています。そして、露になろうとするおぱんつ様を覆い隠すかの様に、これまた膝上20cmの場所で揺れるダボダボの上着。それは、彼らが歩を進める度に、老舗蕎麦屋の暖簾が如き風情でもってちらっちらとそよぎつつ、「御神体」を包み込みし薄布「おぱんつ様」の御姿を、道行く我々に惜しげも無く晒して下さっておるのです。
私の(いやさ、改札口に向かう大半の人々の)視界を占拠する「ちら見せおぱんつ様」の群れ。間もなく、改札機越しに対峙する形になった私と「ちら見せおぱんつ様」の距離が約5m程にまで縮まって来ると、「泥酔して自分の声のボリューム調整がつけられないかの様な大声」で交わされる「ちら見せおぱんつ様」達の会話が、鮮明に聞こえて参りました。
A「マジで帰えぇんのかよぉ?かったるくねぇ?」
B「っせぇってぇ、バイトあんだからしょうがねぇだろぉ」
A「んだよぉ、でも、イベントには顔だせんだろぉ?」
B「ったりまえじゃん、ぜってぇ行くって、ぃぇぁあぉぅ(yeah!)」
A「だよなぁ、ぃぇぁあぉぅ(yeah!)」
C「ぜってぇ来いよ、ぃぇぁあぉぅ(yeah!)」
D「んじゃぁ、直でクラブな、ぃぇぁあぉぅ(yeah!)」
どうやらこの群れは、昨晩からずっと一緒に遊んでいて、そのまま今夜のイベントにもなだれ込もうと計画している様子。しかしながら、群れの一員である「B」だけは、バイトの都合で一旦帰宅を余儀なくされているらしく、仕方無く全員で彼を見送りに来ている。といった感じの様でございます。やがて「B」を除いた他の面々は改札手前で立ち止まり、別れの意を含むと思われる「ぃぇぁあぉぅ(yeah!)」の大合唱を巻き起こし始めました。
群「それじゃぁな、ぃぇぁあぉぅ(yeah!)待ってっからな、ぃぇぁあぉぅ(yeah!)ぃぇぁあぉぅ(yeah!)ぃぇぁあぉぅ(yeah!)ふぉぉぉぉ(hooo!)ぃぇぁあぉぅ(yeah!)ぃぇぁあぉぅ(yeah!)」
アフリカ原住民族がみせる「感謝祭におけるトランス状態」にも似た興奮と喧噪の中、「B」は仲間の群れに一瞥をくれると、改札機の方へ向き直り軽くステップを整えました。(束の間、凛とした静寂なる空気が辺りを支配した様に記憶致しておりますが、定かではございません。)そして、折しも私が「精算機をご利用下さい」のアラートが鳴りはしないか?という微かな不安(1区間分の切符だからあり得ないのですが)を心の片隅で抱えながら、普段通りに切符を改札機へと滑り込ませたまさにその時。「B」は、やおら私の隣に位置する改札機へ向かって地面を蹴り出したのです。
1歩・2歩・・・風をきりながら駆けて来る。 3歩・4歩・・・吹き抜ける風が私の頬を掠める。 5歩・6歩・・・その時彼は確かに「風」になった・・・。
言わずもがな、彼は無賃乗車を遂行せしめる為に改札機の制止板を飛び越えようとしたのでございます。颯爽と改札機を飛び越えた彼の背中には、仲間達の羨望の眼差しと驚嘆のぃぇぁあぉぅ(yeah!)が降り注ぎ・・・が、しかし、そうは問屋が卸しませんでした。正確には「下ろし過ぎたズボン」が卸しませんでした。考えても見て下さいませ、彼のファッション・スタイルは、ほぼ膝に位置する辺りを紐で縛られている様なものなのでございます。人間、脚の自由を奪われた状態で本来の運動能力を発揮させる事など出来よう筈もありません。ズボンの拘束により開く事さえ侭ならぬ両足は見事につま先が揃ったまま制止版に激突。その接触点を中心として、彼の体躯は大きな弧を描きながら、雄々しくおぱんつ様をはためかせながら、冷たいアスファルトへと・・・恐らくは顔面から・・・

私の切符を吸い込んだ改札機の液晶には、勝ち誇った様に「ありがとうございました」の文字が浮かび上がっておりました。それはまるで「なっ、黙って俺の言う事を聞いてりゃぁ良いんだよ。逆らおうなんて気は起こさない方が身の為だぜ」とでも言わんばかりに・・・「私は、試合に勝って勝負に負けたのだなぁ。彼のチャレンジング・スピリッツに乾杯」とひとりごちながらも、やはりズボンは腰で穿くべきものだと再認識するに至った「小さな春の珍事」でございました。


追記
私の斜後方45度でうずくまる彼の口から最初に漏れて来た言葉は「痛っ」でも「糞っ」でもなく「ぃぇぁあぉぅ(yeah!)」でした。

Posted at March 10, 2006 08:31 PM | TrackBack(0)

コメント

ぃぇぁあぉぅ! ってか。
あのパンツの高さと知的能力の高さにはなんか関係性とかあるんですかねぇ?

Posted by: kaori at March 11, 2006 12:06 AM

「欧米人と結婚した日本人女性のアイシャドウが水色である確率」に勝るとも劣らぬ程に密接な因果関係を含んでいるものと思われます。
因に次回は「ラッパーとは、つまるところ単なる駄洒落好きなのではないか?という観点に基づいたベンガル(@東京乾電池)論」に挑戦してみたいと考えております。うそです。

Posted by: kazuo at March 11, 2006 01:21 AM

ああいう生き物に
道すがら肩をつかまれ
「オネエサンシャカイジーン?」
なんて言われようものなら殺意すら感じる。

「わっ、わたしの肩がぁぁぁぁぁぁぁ。
股下19cm野郎に侵されたぁぁぁぁぁぁぁっぁぁぁ。」

私の将来の産まれてくるであろう
息子を何がなんでも都知事にし、
政治家としての権力をフルに使って一掃してくれるはっ!!!

はっはっはっ。

はっ!

いたちくーーーん。
ワイハがいいよなぁ。
やっぱり将来はワイハに住みたいなぁ。

Posted by: devilmanlady at March 11, 2006 02:10 PM

>いたちくーーーん。
って、それを言うなら「かわうそくん」でしょうがっっ!

>やっぱり将来はワイハに住みたいなぁ。
そうよねぇ、うん、うん。
んでもって、息子をワイハ州知事に育てましょう。

Posted by: kazuo at March 11, 2006 07:05 PM
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